収束する数列の極限値と符合の関係
はじめに
今回は以下の問題を図で解説する。
「 で とする。このとき,ある番号以降 は と同符合であることを示せ」
数列は極限値にいくらでも近くなるので極限値と同符合であることは当たり前である。ただし「いくらでも近くなる」は定義ではなく勝手な解釈である。そこで,この勝手な解釈と収束の定義との間ぐらいの厳密性で証明しようと思う。
図による問題の解釈と証明
以下の図は極限値がaである数列の図である。ただし,ε近傍内にある点は赤丸になるような工夫をした。
この図を使って収束の定義を説明すると,
「どのようにεを動かしても,ある番号以降は赤丸になる番号がとれる。」
である。
ここでεを小さくすれば,赤丸と極限値aは同符合になることがわかる。よって問題となるのはどれぐらい小さくすれば同符合になるかである。実際 aやεを動かしてaとεの関係を自分で見つけて欲しい。
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aのε近傍がx軸をまたがなければ,同符合になる。つまりε≤|a|となるεを考えれば証明できる。
まとめ・感想
収束する数列はある番号以降aのε近傍に入るので,どれだけεを小さくするかがわかれば証明できる。定義のイメージをもっていれば,図を書いてεを決定することは簡単にできる。
今回は文章が多くなり ややこしかったかもしれない。余分な表現があればコメントで指摘してください。
参考書
厳密な証明が知りたければ田島先生の本をみてください。このブログのうりは動的グラフですが,文章は比べるのも論外なぐらいこの本の方がいいです。