GeoGebraを使ってε-δ論法を可視化してみた
はじめに
GeoGebraで教材を作るのが面倒になってきた。リアクションがあまりないのでやりがいがない。。。すこし前に高校生からε-δ論法の質問を受けた。ってことで,今後その高校生の質問も答えやすくするためにε-δ論法系の資料を作ってみた。
※ スマホではグラフが小さくなるのでPCで見ることをすすめる
ε-δ論法(収束の定義)
収束の定義を言葉で書くと
のとき がAに収束することの定義は
「どんなAのε近傍を考えたとしても, のδ近傍に含まれる に関して, がε近傍に含まれるδ近傍がとれる」
となる。
可視化による解釈
定義を以下の図で説明する。定義の条件はεをどのように動かしても,赤線がε近傍に含まれるようなδがとれることを意味する。バーを動かしてもらえばわかるように,どんなεを考えても,赤線がε近傍に含まれるようなδはとれるので, のとき はAに収束していることがわかる。
一方以下の図では,あるεに関してどのようにδを動かしてもε近傍に含まれない赤線があることがわかる。よって のとき はAに収束しないことがわかる。
感想
一部のブログなどでは「ε-δ論法は難しすぎる」や「勉強しなくてもいい」など書かれているが,そんなに難しいと思わないしパズルを楽しむ気持ちですればいいと思う。ε-δは上のように赤線がε近傍に含まれるδ近傍がとれるかどうかだけの話で,それ以上でも以下でもない。入門書にはこのイメージがちゃんと書かれているが,このブログのようにイメージできるかはそれまでの数学に対する取り組みに依存すると思う。よってε-δをいじめるのはやめてほしいと思った。
参考図書(adblockがある場合は表示されません)
大学時代に勉強した本です。この本はε-N,ε-δ論法から始まり,関数の連続性,微分,積分の流れで書かれています。ε-δ論法に関する本はこれだけで十分対応できます。わからないところがあれば解説するのでコメントか,Twitterで連絡してください。